ビルの改築にあたり、大通りに面しているという立地条件にも関わらず
「何もない壁面では寂しい」
「塗料屋だし、ビルに何か面白い絵が描かれているのもいいじゃないか」
と壁画の依頼をいただきました。
どのような壁画を施すか打ち合わせをし、時期によって合わない絵ではなく、季節を問わない、周囲の建物と違和感なくとけ込むものが良いということになりました。
加えて、ヨーロッパ調の改築になると伺い“パリの一角にある、ヨーロッパの古びたビルの渋いイメージ”を提案しました。
それが結果的に「エイジング」となりました。
塗料屋としてのビルだったので、
「この会社の塗料を使用すれば、こんな風に素敵になるのでは」
とイメージアップに繋がるよう制作を進めていきました。
作業工程
こちらが制作前のビルの様子です。
MER-める-の仕事は、まず足場を組んでもらい下地処理が完了した状態からスタートしました。
制作は、壁全体に進めていきます。
部分的に進めていくと仕上がりに偏りが出来るからです。
担当のスタッフも一カ所で描き続けるのではなく、定期的に場所を変えて進めていきます。
光と陰のバランスを見ながら、明暗や色合いに違和感がないか、一筆入れては後ろから離れて見て、全体を確認しながら制作していきます。
仕上がりのクオリティは、どれだけ細部を詰めていけるかによって変わります。
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下描きは無く、描きながら感覚でヒビや陰影を入れていきます。
この仕事がMER-める-ならではの特徴です。
下描きが無いことを心配する声もありますが、それには理由があります。
下描きはあくまでイメージです。
制作は“現場”で行われているからこそ、その時の感覚や気付きを大切にします。
そうすることで下描きに囚われず、一番しっくりくる仕事を残せるのです。
「書」で言う、一つの字は全てつながっていて、書き始めたら途中で墨は浸けない。
そして、筆も整えずに、一気に書ききる。
その精神に似たものと考えています。
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壁のデコボコを利用して、土壁がはがれた様子を表現しています。
立体的に見えるようにはコツがあります。
そのコツを掴むためには技術と経験が必要です。
ホコリやススが雨水によって流れ落ちていく様子を描きました。
この辺りの制作の段階で、描いている支持体への意識が「壁からキャンバスへ」と変わっていきました。
技術によるエイジング施工ではなく感性をもって施す「絵画」になっていったのです。
MER-める-からエイジングをお考えの方へ
MER-める-では、制作を進めていくにつれて壁がキャンバスへと意識が変化していくように感性を大切にした、他社では絶対に起きない仕事が生まれていきます。
それによって完成度に圧倒的な違いが出るのです。
完成後、通りかがりの方や近所の方々に大変良い口コミも頂き、また、この壁画についての問い合わせがきたりと、ビルのオーナー様からも『周囲に自慢の出来るビルになった』とお喜びの声を頂きました。
ご依頼者様から、芸術家として足立陽平の名前を書いて欲しいと、制作したビルにサインのご希望がありました。
自身にとっても誇らしい仕事となりました。
MER-める-ではご依頼者様のご希望を叶える為に、鉄骨・木材・どんなシチュエーションにも対応致します。
個人のお客様からもご依頼を承っています。
お気軽にお問い合わせください。
詳細内容
施工内容 | 壁画を描くビルに隣接した事務所をヨーロッパ調に改築するにあたり、それに合うエイジングを提案いたしました。 |
工期 | 約20日間(半日作業) |
サイズ | H12×W7(m) |
素材 | 屋外用耐水性塗料 |